1度歯槽膿漏になったら、またすぐ歯槽膿漏になりやすい?
こんばんは。歯科衛生士の矢野です。
今回は歯槽膿漏(歯周病)についてお話しします。
歯磨きをした時に、血が出る場合は、歯周病(歯槽膿漏)を疑った方がいいでしょう。血が出るということは、歯に付いたプラーク(汚れ)や歯石が歯茎を圧迫したり傷つけている証拠です。放置していると、歯茎が赤く腫れたり、歯がグラグラしてきます。自分は既に、歯周病(歯槽膿漏)の治療を受けて完治しているから大丈夫だろう、と考えるのは間違いです。口の中には、常に500種類以上の細菌が常在しています。中でも、ポルフィロモナス、ジンジバリス、タネレラ、フォーサイシアといった歯周病菌が再び増えてくると、また歯周病(歯槽膿漏)にかかってしまいます。歯周病も歯槽膿漏もほぼ同じ意味合いの歯の病気ですが、歯周炎が悪化して歯槽骨が溶けた状態のことを指します。歯を支える骨が溶けて膿が溜まると、口臭の原因にもなります。
歯周病は、歯を支えている組織(顎の骨など)が弱くなり、歯を支えきれなくなり最後には歯が抜けてしまう病気です。特に、血糖値が高いと感染症にかかりやすくなります。歯周病も同じです。そのため、糖尿病では歯周病になりやすく、重症化しやすいのです。歯周病を治しても、糖尿病を患っている場合は、普段から血糖コントロールを心掛けなければ、すぐに歯槽膿漏の症状が出てきてしまいます。歯周病があると、血糖コントロールが悪くなりがちになるのは、血糖値を下げるインスリンの作用が弱まるからです。
歯周病は、慢性の感染症です。歯周病を治さない限り、血糖コントロールが難しい状態が続きます。糖尿病の治療のためにも歯周病の治療は大切なのです。糖尿病だけでなく、心筋梗塞、肺炎、動脈硬化、早産、癌などの全身疾患の原因にもなりますので、再発しないように気を付けなければいけません。歯周病はお口だけの問題ではないのです。
歯周病(歯槽膿漏)を治しても、歯周ポケットが深くならないように、毎日の歯磨きは欠かせません。歯磨きは、自己流ではなく、正しい磨き方を歯医者(歯科)で教えてもらいましょう。自宅での歯磨きと、歯医者(歯科)での定期健診を欠かさないことが、歯を守ることに役立ちます。若い方でも歯から血が出る、という方は意外に多く見られます。定期的に歯医者(歯科)に通って、歯をきれいにすることで、歯槽膿漏や歯周病の再発を防ぐことができます。和歌山市には予防歯科や歯周病のケアに力を入れている歯医者(歯科)がたくさんあります。特に当院は歯周病治療には力を入れています。歯磨きをして血が出たという方は、速やかに歯医者(歯科)で診てもらいましょう。